公開質問状への回答

公開質問状へのご回答

 去る11月23日、「県民平和大集会」を無事に終えることができました。これはひとえに、「沖縄を再び戦場にさせない」という強い決意を持った多くの県民、全国、海外の皆さまのご参集、ご協力のおかげだと感謝しております。誠にありがとうございました。
 「天和泉」と呼称される宗教性や思想性がうかがわれる団体のものとされるロゴやキャッチコピーを当会が使用したことを巡り、公開質問状が出ました。11月15日に問題が発覚してから、Tシャツとステッカーの販売中止の決断をしましたが、集会準備、そしてご指摘に対しての事実確認、公開質問状に対して運営委員全体での回答文の練り直し等に時間を要しました。お待たせしてしまい申し訳ございません。そして今回のご指摘でTシャツとステッカー販売の中止ができ、これ以上深刻な事態に陥ることを防げたこと、並びに公開質問状を受けて会の運営体制を見直すきっかけになりました。ご指摘をいただいた宮城秋乃さん、公開質問状を提起してくださった石嶺香織さんはじめ賛同者の方々に感謝いたします。ことを誠に感謝申し上げます。

 ※今回の件は運営委員全体の責任と認識しておりますので、プライバシー保護の観点から、当該委員の個人名の掲載は控えさせていただきます。

1. はじめに

当会が把握している経緯

・2.26集会のチラシで掲載されたロゴ(和の文字に地球があしらわれたデザイン)と、Tシャツに使用したキャッチコピー「Love for the Homeland is Love for the World(天和泉のホームページ上での記載は「故郷を愛する心は世界を愛する心」)は「天和泉」のものであると知らずに使用してしまいました。ロゴとキャッチコピーの提案者である当該委員も、共同代表含め運営委員も「天和泉」の存在自体を知ったのは、インターネット上で指摘された11月15日になります。15日以降、SNSなどではロゴとキャッチコピーの使用を巡る指摘や質問が相次ぎました。共同代表は「戦争回避を訴える県民集会が、特定の外部団体等との関係を疑われては県民運動に大きな影響を及ぼしかねない」と考えて、混乱回避の観点から11月16日の全体会合の直前に「Tシャツ販売の中止」を決断しました。全体会合の場で参加団体からも販売中止の提言を受け、より事態を深刻に受け止めるようになりました。11月17日の県庁記者クラブの記者会見とホームページ上でも販売中止を報告させていただきました。

当該委員と知人A氏への聞き取り

 運営委員会では、ロゴやキャッチコピーを運営委員会議で提案した当該委員と、それらを紹介した当該委員の知人A氏への聞き取りを複数回実施しました。
 当該委員とA氏は南城市が主催するイベントで出会っています。同様のロゴとキャッチコピーが刻まれている「平和の碑」(南城市所在)の設置者はA氏です。お互いの会話の中で平和活動の話になり、A氏が「平和の碑」を当該委員に紹介しました。

【1】当該委員への聞き取り

(1)ロゴとキャッチコピーの紹介を受けたことについて
 当該委員はA氏にロゴとキャッチコピーなどが載っているサイトの紹介を受け、「平和の想いを持つ人間ならだれでも自由にダウンロードしていい」と伝えられました。当該委員は「素敵なロゴとキャッチコピー」と感じ、2月の集会チラシに載せることを提案しました。この時、A氏が当該委員に紹介したサイトは「天和泉」のホームページとは別の「平和の心」というホームページでした。ここには“天和泉”の文言はなく、同様のロゴとキャッチコピーが掲載されていました。またA氏から当該委員にこのロゴとキャッチコピーが「天和泉」のものであることの説明はありませんでした。ただ「自由に使っていい」と当該委員に伝えたのみになっています。その結果、当該委員はそのロゴとキャッチコピーも、そして紹介してもらったサイトも、全てA氏個人のものという認識で運営委員会議に提案しました。

(2)「平和の碑」を磨いたことについて
 「平和の碑」をA氏に紹介された際、南城市在住ではないA氏(遠方の市外在住)が碑の管理に苦労していると知りました。当時、仕事の関係で、碑の近くに行く機会があり、時間の許す限り碑の掃除をすることをA氏に提案し、A氏は快くその提案を受け入れました。その後、当該委員は時間があれば平和の碑の場所に出向き、磨いていました。その様子を自身のSNSに“磨く”という表現で掲載しています。「平和の碑」という大事なものなので“掃除する”という表現より“磨く”という表現が適しているのかなと思ったと話しています。

【2】知人A氏への聞き取り

 A氏からは以下のような趣旨の説明がありました。

 “宗教活動はしておりません。どこにも所属せず、世界が平和になることを願い、個人でその活動をしています。「平和の碑」も自費で、2022年に設置しました。そのきっかけは、平和活動をする過程でその土地の存在を知り、雑草の生い茂る土地を目にして、もったいない、誰もきれいにしないのなら私がやると決意し、平和の想いを伝える場所にできたらという思いでした。”

 A氏は土地の所有者が「天和泉」であることを知りました。「天和泉」のホームページ上のメールでのやり取りで、土地の使用許可ならびに平和の碑の設置許可、そしてロゴマーク「和」とキャッチコピー「Love for the Homeland is Love for the World」の使用許可を「天和泉」から得ました。A氏の建てた「平和の碑」にはそれらのロゴとキャッチコピーが刻まれています。A氏は「天和泉」が宗教団体でも思想団体でもないと強く主張し、宗教性も思想性もなく、あるのは世界の平和を願う心であり、その思いを自身のような個人個人がそれぞれで活動をしていると繰り返し説明していました。なお、当該委員がロゴとキャッチコピーの使用を提案したことについて、A氏は「私があの時にきちんと説明しておけばこんなことにはならなかった。皆さんに迷惑をかけたのは私の責任です」と悔やんでいました。

2. 回答

 以下がご質問への回答になります。前述との重複が含まれている部分もありますが、ご了承下さい。

①2月の集会のチラシ作成時において、 「天和泉」のロゴをチラシに載せることについて、当該委員から運営委員会に議題の提案がありましたか。 どのようなプロセスを経て、チラシへの掲載が決まりましたか。
② Tシャツ ステッカー制作時には、 当該委員からどのような提案がありましたか。 また、運営委員会ではどのような議論がされ、使用を承認したのでしょうか。
③ 運営委員会において、「天和泉」のロゴマークとキャッチコピーの意味について、当該委員からどのような説明がありましたか。

※項目①〜③は回答の内容が重複するため、まとめて回答いたします
 
 チラシやTシャツなどの制作は基本的に当該委員を含む20~30代のメンバーが中心となって素案づくりを担いました。その後、素案は運営委員会会議等の場で承認されるプロセスとなっていました。
 2月の集会前に、ロゴやキャッチコピーの使用などを提案したのはいずれも当該委員です。素案の段階で当該委員から「知人が作成した世界平和の願いが込められているロゴとキャッチコピーがあり、本人からも使用許可を得ている」との提案でそれらが採用され、その後、運営委員会議でも同様な提案説明がありましたが、特に議論されることなく承認されました。
 当該委員は、素案づくりの段階で「世界平和へのメッセージなどが込められている」といった趣旨の説明で提案していました。また「(デザインが)合わない場合は使用しなくても大丈夫です」などと述べており、ロゴやキャッチコピーの使用に固執していた訳ではありませんでした。キャッチコピーに関しては別案も出ていましたが、制作チームの多数決で当該委員の提案が通りました。素案づくり段階で、特に議論になっていないため、運営委員会議でも当該委員は具体的な説明はしていません。当該委員は「ただ、いいなと思って提案した」と振り返っていました。

④当該委員がロゴをダウンロードしたホームページには以下のような記載がありました。https://wa-world-peace.amebaownd.com/「画像のダウンロードは個人使用の範囲内で自由です 以下の内容はお控えください。〇商用利用などでのご使用 〇画像の編集、 部分的使用 ※個人使用も含みます県民の会のロゴ使用は、 個人使用ではなく組織としての使用です。 Tシャツ、ステッカーを販売するので商用利用になります。 このように、 著作権を侵害している恐れがありますが、 著作権についてどのように検討されましたか。

 「天和泉」の存在を知らなかった当該委員は、ロゴやキャッチコピーについて「知人が個人的に製作したものだと思っていた」とのことです。知人A氏からは「このイラストをダウンロードして自由に使ってもいいですよ」と伝えられ、使用を提案したとのことです。Tシャツ、ステッカーに関しては指摘があり、幸いにも販売を中止しましたが、運営委員会では出典元を十分に確認する必要があったと認識しています。
 「天和泉」に直接連絡を試みたもののホームページが閉鎖していたため、直接連絡をとる手段がございません。したがって、どこまで著作権上の問題になるのか確認がとれておりません。今後「天和泉」と連絡がついた場合は、真摯に対応して参ります。

⑤ Tシャツ ステッカー販売中止による損失はいくらですか。県民の会はHP上で、 共同代表の瑞慶覧長敏氏の個人名義の口座で寄付を集めています。また、集会当日は200万円を超えるカンパが集まったということですが、上記の損失も含めて、 会計報告をする予定はありますか?

 グッズ販売に関連する損失は38万9800円(概算)です。11.23県民平和大集会でいただいたカンパとは別の制作予算で支払いました。後日改めて、全体会合にて会計報告をする予定です。

⑥ 平和運動に特定の思想を持ち込んだことによって、 Tシャツ・ステッカーの販売中止という金銭的な損失のみならず、 県民の会の信頼を大きく失うことになりました。 このような事態を招いた当該委員の処遇はどのようになりますか?このまま運営委員を継続するのでしょうか?また、共同代表や事務局長はどのように責任を取るのでしょうか?

 提案を承認したのは運営委員会全体の責任であり、個別の処分などは考えていません。二人の共同代表は今回の公開質問状でご指摘いただいている問題点と、会議で出された課題や提案を真摯に受け止め、組織体制の再構築も含め、今後も努力を重ねてまいります。事務局長については県民の会全体会合にて引き続き協議していきます。なお、当該委員は「ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません」と述べており、当会を脱会する意思を示しています。

⑦ 県民に対して提案される 「行動提起」 は、 集会における最重要メッセージです。 提案された3つの「行動提起」 の内容は、運営委員会で話し合い、承認されたものでしょうか?また、 全体会議においてはどうでしょうか?

 これまで過去4回の集会と同様に、運営委員会議や全体会議の議論をおおむね踏まえ、事務局長が作成していました。運営委員会議、全体会議では内容を承認する前提はありませんでした。今後は、運営委員会議ならびに全体会議において協議を重ねながら行動提起の位置付けを考えていきます。

⑧「バッシング」とは具体的に、どのような内容でしょうか?

 事務局長は、若者たちやこれから平和運動に参加しようとする人がプライバシーの危険を感じ、発言や行動が萎縮してしまうような言動やSNS上での投稿などあったという認識で発言しました。

⑨ 山城博治氏個人だけでなく、 県民の会の運営委員会も、「バッシングがあった」 という認識を持っているのでしょうか?

 県民の会の運営委員会は、ロゴやキャッチコピーに関する指摘についてはバッシングとは認識していません。的確なご指摘だったと考えております。

⑩ 11 月 15 日に宮城秋乃氏が、特定の思想団体のロゴとキャッチコピー使用の問題を明らかにし、そこからネット上で県民の会への批判の声が広がりました。これらの批判の声についても「バッシング」であるという認識でしょうか? 

ロゴやキャッチコピーのご指摘についてはバッシングと捉えていません。ご指摘がなければそのまま使用していた可能性があります。ご指摘をいただいた宮城秋乃さん、公開質問状を提起してくださった石嶺香織さんはじめ賛同者の方々に感謝いたします。

⑪県民平和大集会において、「当会の運営に対する指摘について」 という声明文の内容について参加者に周知しなかったのはなぜでしょうか? ネットを見ていない参加者もいます。 ですがこの問題は、 ネット上で起こったことではなく、 2月の集会チラシに 「天和泉」のロゴが、 5月の集会では主催者がキャッチコピーの載った T シャツを着ており、メディアにも掲載されるなど、 沖縄のみならず全国で、 多くの人の目に触れることになりました。 また、沖縄と連帯する他県の集会でキャッチコピーが実際に使われた例もありました。 県民の会は、 それを目にしたり使った人々に、 それらは特定の思想団体のロゴとキャッチコピーであり、使うべきではなかったことを周知させる責任があります。 集会で周知せずに、 今後どのような方法で事実を周知していくつもりなのかお答えください。

天和泉のロゴやキャッチコピーの使用が発覚したのは11月15日でした。11月17日県庁記者クラブにて公に記者会見を開き、公式ホームページでのお知らせを行ってきました。しかし、集会では周知徹底のために時間を作ることまで思いが及びませんでした。今後は、今回のご質問を受けての回答書もホームページに公開してお知らせしたいと考えております。 

3. 最後に

 県民の会はこれまで、呼びかけ団体・個人がそれぞれの思いで参加し、それぞれのできる範囲で活動を続けてきました。手探りの状態で組織運営をしている中、1万人規模の集会を実施する組織として運営のあり方やチェック体制が不十分でした。
 今後の組織体制の再構築についても、県民の会の呼びかけ団体・個人の皆さまの意見を踏まえながら協議を進めていきたいと思います。
 今後も至らない点が多々出てくるかもしれませんが、県民の皆さまのご協力を得ながら、「沖縄を再び戦場にさせない」という思いを広げていき、沖縄、日本、世界の平和につなげていく決意です。今回の公開質問状は、運営体制の甘さを深く反省し見つめ直す機会となりました。今後も皆さまからのご指摘に真摯に向き合い、チェック機能を強化した組織づくりに取り組んで参ります。引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

2023年12月28日 
沖縄を再び戦場にさせない県民の会
共同代表 瑞慶覧長敏 具志堅隆松
事務局長 山城博治